RISC と CISC の違い
命令を単純にするか、1命令で複雑な処理をするか

更新日 2026年11月2日 読む時間の目安 約4分
この記事の要点
  • RISC と CISC は、プロセッサ(CPU)の命令の設計方式の違いです。
  • RISC は命令を単純にして、並行処理しながら高速に繰り返す方式で、小型化と低消費電力に向き、スマートフォンなど小型機器の主流です。CISC は1つの命令で複雑な処理を行える方式で、PC やサーバ向けに多く使われます。
  • 選択肢には SoC・GPU・NPU・ベースバンドチップも並ぶので、「設計方式」と「チップの種類」を区別します。
この記事の目次
  1. RISC とは
  2. CISC とは
  3. 違いを表で比べる
  4. 試験での問われ方
  5. 覚え方
  6. 第6章の問題を解いてみる
  7. よくある質問

RISC とは

RISC(Reduced Instruction Set Computer)は、サポートする命令を必要最小限に絞り、1つの命令で行うことを簡単にしたプロセッサです。使う頻度の低い処理は、基本の命令を組み合わせて実行します。

命令が単純なので、読み込み・実行・書き込みといった流れを並行して進めるパイプライン処理がなめらかに進みます。単純な命令を高速に繰り返すことで、効率よく処理できるのが特徴です。複雑な機構を持たないため、小型化と低消費電力に向いており、小さな機器向けのプロセッサの主流になっています。

CISC とは

CISC(Complex Instruction Set Computer)は、1つの命令で、より複雑な処理を行えるように設計されたプロセッサです。内部ではマイクロコードを使って各部を制御し、命令を解釈して実行します。

マイクロコードを変えれば複雑な命令にも比較的たやすく対応できますが、処理にかかる時間は長くなる傾向があります。高い処理能力が求められ、電力も十分に供給できる PC やサーバ向けによく採用されています。

RISC と CISC の命令の作り方 命令の作り方の違い RISC 単純な命令を 高速に繰り返す 小型・低消費電力 モバイルの主流 CISC 1命令で複雑な処理 マイクロコードで制御 高い処理能力が必要な PC・サーバ向け どちらもプロセッサ(CPU)の設計方式の違い
RISC と CISC の命令の作り方(もちこ道場のまとめ)

違いを表で比べる

比べること RISC CISC
命令の考え方 単純な命令を必要最小限に絞る 1つの命令で複雑な処理を行う
処理の進め方 単純な命令をパイプライン処理で並行して高速に繰り返す 内部のマイクロコードで各部を制御して実行する
向いているもの 小型化・低消費電力 高い処理能力が必要な機器
主な用途 スマートフォンなど小型機器 PC・サーバ
名前の意味 Reduced(減らした)命令セット Complex(複雑な)命令セット

試験での問われ方

モバイルシステム技術検定2級では、第6章「モバイル端末・機器のハードウェア技術」で出ます。もちこ道場の第6章の問題(全135問)のうち、RISC・CISC を扱う問題は8問あります。

  • 穴埋め: 「単純な命令を並行処理しながら高速に繰り返し、小型化と低消費電力に向いているプロセッサ」に RISC、「マイクロコードで制御し、1つの命令で複雑な処理を行うプロセッサ」に CISC を選ぶ。選択肢には SoC・GPU・NPU が並びます。
  • 2つの空欄の組み合わせ: 低消費電力の側と複雑な処理を行う側の空欄に、RISC と CISC を正しい順で入れる。逆の順の選択肢が並びます。
  • 記述を選ぶ: 「CISC 型は低消費電力で、小型機器向けの主流」のように、RISC と CISC の性質を入れ替えた記述を見抜く。

覚え方

  • 頭の文字で覚えます。R は Reduced(減らした)、C は Complex(複雑な)。命令を減らして単純にしたのが RISC、複雑な処理を1つの命令に詰め込んだのが CISC です。
  • 用途とセットで覚えます。小さな機器(スマートフォン)は RISC、PC・サーバは CISC。「モバイルは小型・省電力」と考えれば、取り違えにくくなります。

第6章のほかの用語は「第6章 モバイル端末・機器のハードウェア技術の要点」にまとめています。

第6章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第6章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

各部の制御を内部でマイクロコードによって行い、より複雑な処理を一つの命令で実行できるよう設計されているプロセッサを1型プロセッサという。

答えと解説を見る

正解は 1(CISC)です。

【概要】

CISC型プロセッサはマイクロコードで各部を制御し1命令で複雑な処理を実行できるよう設計されたプロセッサである。

【図解】実験的機能

プロセッサの種類(CISC・RISC)と性能指標 プロセッサの種類(CISC・RISC)と性能指標

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. CISC正解あなたの解答 CISC型プロセッサは内部をマイクロコードで制御し複雑な処理を1命令で実行するため空欄(1)に適合する。
  • 2. RISCあなたの解答 RISC型プロセッサは命令を単純化してハードウェアで高速処理する設計方式であり複雑な命令構造を持たない。
  • 3. NPUあなたの解答 NPUは人工知能や機械学習などの行列演算を高速処理することに特化した演算プロセッサである。
  • 4. SoCあなたの解答 SoCはCPUや周辺回路などのシステム機能を1つのチップ上に集積した統合集積回路である。

問2

複数のプロセッサを1つのパッケージに搭載したマルチコアプロセッサにおいて、プロセッサが4個搭載されているものを1と呼ぶ。

答えと解説を見る

正解は 2(クアッドコア)です。

【概要】

マルチコアプロセッサのコア数に応じた名称定義に関する問題である。パッケージ内の個数で分類される。

【図解】実験的機能

プロセッサの種類(CISC・RISC)と性能指標 プロセッサの種類(CISC・RISC)と性能指標

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. デュアルコアあなたの解答 デュアルコアはプロセッサコアを2個搭載した構成であり、4個搭載するプロセッサではない。
  • 2. クアッドコア正解あなたの解答 クアッドコアは1パッケージに4個のプロセッサコアを搭載した構成のため正しい。
  • 3. シングルコアあなたの解答 シングルコアは単一のコアのみを搭載した構成であり、複数コアを持つプロセッサではない。
  • 4. オクタコアあなたの解答 オクタコアはプロセッサコアを8個搭載した構成であり、4個搭載するプロセッサではない。
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よくある質問

モバイル端末に RISC が向いているのはなぜですか?

RISC は複雑な機構を持たず、単純な命令を並行処理して高速に繰り返すので、小型化と低消費電力に向いているからです。モバイル端末は本体が小さく電池にも限りがあるので、小型で省電力な設計が欠かせません。

SoC は RISC や CISC と同じ仲間ですか?

違います。RISC・CISC は命令の設計方式で、SoC(System on a Chip)は CPU や GPU、通信機能などをまとめて1つのチップに集めたものです。SoC の中の CPU が RISC 型、ということもあります。「設計方式」と「チップの構成」は別の切り口です。

ベースバンドチップには RISC が関係しますか?

関係します。ベースバンドチップは、小型の汎用プロセッサと無線通信を制御する回路を一体にしたチップで、中のプロセッサはほとんどが32ビットの RISC 型になったと説明されています。ただしベースバンドチップ自体は RISC の別名ではありません。

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出典・注記

出題範囲は、2026年11月2日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. モバイルシステム技術検定2級(MCPC 公式)