NB-IoT と RedCap の違い
LTE の基盤か、5G で能力を絞った規格か
- NB-IoT と RedCap は、どちらも携帯電話のネットワークで、IoT デバイスを低消費電力でつなぐための 3GPP の規格です。
- NB-IoT は LTE の世代で、LTE より狭い信号帯域幅を使って消費電力を下げる規格、RedCap は 5G NR の世代で、端末の能力を一定の範囲に制限して低消費電力・低データレートに対応する規格、と覚えます。
- LTE の世代には MTC・eMTC・NB-IoT、5G の世代には mMTC・RedCap・eRedCap があり、世代の組み合わせが問われます。
NB-IoT とは
NB-IoT(Narrow Band IoT)は、LTE-Advanced で用意された、IoT デバイスの消費電力をさらに下げるための技術です。MTC や eMTC より一段と消費電力を減らすために、LTE より狭い信号帯域幅を使い、LTE とは異なる変調方式や通信路符号化方式を採用しています。
LTE と同じ周波数帯で動かすことも、その隣の帯域(ガードバンド)や専用の帯域で動かすこともできます。通信事業者に割り当てられた周波数(ライセンスバンド)で運用する前提のため、LPWA の仲間の中でも、ライセンスバンドの技術として扱われることがあります。
RedCap とは
RedCap(Reduced Capability)は、3GPP の Rel-17 で作られた、5G NR の規格です。産業用の IoT での利用に特化して、端末の能力や通信速度を一定の範囲に制限することで、低消費電力と低データレートへの対応を意図しています。端末の低コスト化にもつながります。
RedCap をさらに拡張した規格が eRedCap(enhanced RedCap)です。5G の IoT 向けの機能には、このほかに多数のデバイスを同時に接続する mMTC があります。
違いを表で比べる
| 比べること | NB-IoT | RedCap |
|---|---|---|
| ひとこと | LTE の基盤で、狭い帯域幅を使う省電力の通信 | 5G で、端末の能力を絞った省電力の通信 |
| 世代 | LTE-Advanced | 5G NR(3GPP Rel-17。拡張の eRedCap は Rel-18) |
| 省電力にする方法 | LTE より狭い信号帯域幅と、異なる変調方式・符号化方式 | 端末の能力や通信速度を一定の範囲に制限 |
| 仲間・拡張 | MTC・eMTC | eRedCap(RedCap を拡張) |
| 5G の別の機能との関係 | mMTC(多数同時接続)は5G側にある | mMTC とは別の規格 |
試験での問われ方
モバイルシステム技術検定2級では、第12章「IoTシステム」で出ます。もちこ道場の第12章の問題(全130問)のうち、NB-IoT・RedCap を扱う問題は7問あります。
- 穴埋め: 「MTC や eMTC よりさらに消費電力を下げるため、LTE より狭い信号帯域幅と異なる変調方式を採用した技術」に NB-IoT、「5G NR で、産業用 IoT 向けに能力を一定範囲に制限した技術」に RedCap を選ぶ。選択肢には V2X・LAPI・C-SGN・mMTC・URLLC などが並びます。
- 2つの空欄の組み合わせ: 「能力を制限した規格」と「それを拡張した規格」に、RedCap と eRedCap を正しい順で入れる。eMTC や mMTC を混ぜた選択肢が並びます。
- 記述を選ぶ: 「NB-IoT は LTE と同じ広帯域幅を使う」「RedCap は極めて高いデータレートを必要とする」のように、性質を取り違えた記述を見抜く。
覚え方
- 名前で覚えます。NB は Narrow Band(狭い帯域)、RedCap は Reduced Capability(能力を減らした)。帯域を狭めるのが NB-IoT、能力を減らすのが RedCap です。
- 世代で分けます。LTE の世代は NB-IoT、5G の世代は RedCap。LTE の仲間は MTC・eMTC・NB-IoT、5G の仲間は mMTC・RedCap・eRedCap と並べて覚えます。
第12章のほかの用語は「第12章 IoTシステムの要点」にまとめています。
第12章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第12章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
LTE-Advancedにおいて、IoTデバイスの消費電力をMTCやeMTCよりもさらに低減するため、LTEより狭い信号帯域幅と異なる変調方式等を採用した技術は1である。
答えと解説を見る
正解は 2(NB-IoT)です。
【概要】
セルラーIoT技術ではデバイスの低消費電力化や広域通信が求められる。LTE基盤上で狭帯域通信を行うNB-IoTが規定されている。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. V2Xあなたの解答 V2Xは車両とあらゆるモノ間で通信を行う技術であり、狭帯域で低消費電力化を図る通信技術の空欄(1)とは異なる。
- 2. NB-IoT正解あなたの解答 NB-IoTは狭い帯域幅を用い消費電力を大幅低減する通信技術であり空欄(1)の記述に合致する。
- 3. LAPIあなたの解答 LAPIは輻輳時に低優先度のIoTデバイスを識別する識別子であり、低消費電力な通信技術を示す空欄(1)とは異なる。
- 4. C-SGNあなたの解答 C-SGNはIoT向けコアネットワーク側の制御ノードであり、端末側の無線通信技術を示す空欄(1)に合わない。
問2
5G NRにおいて、産業利用向けのIoT利用に特化し、低データレート・低消費電力への対応を意図して、能力を一定の範囲に制限した技術は1として策定されている。
答えと解説を見る
正解は 4(RedCap)です。
【概要】
RedCapは5G NRにおいてデバイスの能力や通信速度を制限した規格である。端末の低消費電力化や低コスト化を実現する。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. mMTCあなたの解答 mMTCは1km2あたり100万個以上のデバイス接続を可能にする多数同時接続のシナリオであり、能力削減規格の空欄(1)と異なる。
- 2. C-SGNあなたの解答 C-SGNはEPCにおいてIoT向けに最適化されたコアネットワークノードであり、5G NR端末機能規格の空欄(1)と異なる。
- 3. URLLCあなたの解答 URLLCは高信頼・低遅延通信を実現する5Gの性能シナリオであり、能力を制限して省電力化する規格の空欄(1)と異なる。
- 4. RedCap正解あなたの解答 RedCapは能力を制限して低データレートや低消費電力に対応する産業IoT用規格のため空欄(1)に適合する。
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よくある質問
MTC・eMTC・NB-IoT はどう違いますか?
どれも LTE-Advanced の IoT 向けの技術で、少しずつ消費電力を下げていきます。MTC は最大の伝送速度を1Mbps に制限して、小型で電力消費の少ないデバイスを使えるようにします。eMTC は MTC より最大の送信電力を下げ、半二重 FDD にして構成を簡単にします。NB-IoT は、さらに消費電力を下げるため、LTE より狭い信号帯域幅と、LTE とは異なる変調方式や符号化方式を使います。
RedCap と eRedCap は何が違いますか?
eRedCap は、RedCap を拡張した規格です。3GPP の Rel-17 で RedCap、Rel-18 で eRedCap が作られ、どちらも産業用の IoT を意識して能力を制限しています。RedCap は監視カメラやウェアラブルデバイス、eRedCap は産業用の無線センサやスマートグリッドの電力計などが利用シーンの例です。
mMTC は RedCap と同じものですか?
違います。mMTC は、5G の利用シナリオの1つで、1km2 あたり100万個以上という多数のデバイスの同時接続を可能にするものです。RedCap は、端末の能力を絞って省電力と低コストを実現する規格です。選択肢に並ぶことがあるので、「数」の話か「能力を絞る」話かで見分けます。
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出題範囲は、2026年11月2日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。