第13章 モバイルシステムを利用したアプリケーションの要点
クラウド、商取引、業務システム、決済、XR、医療を整理
- 第13章は最後の章で、モバイルを使ったサービスの形(クラウド、商取引、業務システム、働き方、決済、XR、医療)を扱います。
- B2B2C・D2C・O2O・OMO、SFA・CRM・SCM・ERP、IaaS・PaaS・SaaS・BaaS・DaaS のような、略語どうしの違いが問われます。
- 用語は「誰と誰の取引か・何を支える仕組みか」で6つに分けると、覚えやすくなります。
この章で問われること
第13章「モバイルシステムを利用したアプリケーション」は、最後の章です。第12章までの技術を、ビジネス・業務・決済・エンタメ・医療といった使う場面に当てはめて扱います。第1章に戻って全体を見直す前の、まとめの章として読むとつながりが分かります。
本番の100問のうち、第13章からは8問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(100問・100分)は、全13章の範囲の広さに合わせて章ごとの問題数を決めていて、第13章からは8問を出しています。試験全体の約8%にあたります。
もちこ道場の第13章の問題は136問です。本番と同じ5つの形式に分けると、次のようになります。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 穴埋め(1か所) | 30問 |
| 穴埋め(組み合わせ) | 30問 |
| 長文(1つの文章に4問) | 16問 |
| 正しい記述を選ぶ | 30問 |
| 誤った記述を選ぶ | 30問 |
出てくる用語は、誰と誰の取引か・何を支える仕組みかで、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
6つのまとまりと押さえる用語
1. クラウドのサービスの形
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| IaaS | サーバやストレージなどのインフラを提供する |
| PaaS | 開発・実行のプラットフォームを提供する |
| SaaS | アプリケーションの機能を提供する。利用者は開発が要らない |
| BaaS | 通知や認証など、共通のバックエンド機能をまとめて提供する |
| FaaS | API などの実行環境を提供する。イベント駆動の開発に向く |
| DaaS | 仮想デスクトップ環境をクラウドに用意する。端末にデータが残らない |
| IDaaS | ID の管理をクラウドで行う |
2. 商取引の形
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| B2B2C | 提供者と利用者の間に、顧客管理や決済の基盤を持つ事業者が入る |
| B2E | 企業と従業員の取引。企業が端末を管理したり、機種を制限したりできる |
| D2C | 製造者が、自社の EC で消費者に直接売る |
| O2O | ネットから実店舗へ誘導する施策 |
| OMO | オンラインとオフラインを融合し、一連の体験を高める |
| シェアリング・エコノミー | プラットフォームを通じて、個人どうしが資産などを共有する |
| クラウドファンディング | インターネットで、不特定多数から資金を集める |
3. 業務システムと自動化
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| SFA | 顧客情報や商談の進み具合をまとめ、営業活動を支える |
| CRM | 顧客のデータや取引の履歴を一元管理し、良い関係を築く |
| SCM | 調達から受注、在庫、物流までの供給網全体を最適にする |
| ERP | ヒト・モノ・カネなどの経営資源を一元管理する |
| RPA | ソフトウェアのロボットで、定型的な事務作業を自動にする |
| シナリオ型チャットボット | あらかじめ用意した筋道で質問を重ね、答えを絞り込む |
4. 端末の管理と働き方
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| BYOD | 私有のスマートフォンや PC を、業務に持ち込んで使う |
| EMM | 組織で使う端末を一元管理し、設定やアプリの制御でポリシーを守らせる |
| ゼロトラストネットワーク | 境界に頼らず、内外を問わず常にアクセスを検証する |
| Wake On LAN | 遠隔から、端末を起動・復帰させる |
| SMS・RCS | 携帯電話番号で使う通信。SMS は即応性が高く、多要素認証にも使われる |
5. 決済・検索・サービスの連携
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| ユーザースキャン方式 | 販売者のコードを購入者がアプリで読み取り、金額を入れて払う。専用端末が不要 |
| キャリア決済 | 通信事業者の契約 ID で認証し、携帯電話料金と合わせて払う |
| FeliCa | かざすだけで払える非接触 IC の技術。日本の電子マネーで広く使われる |
| ロボット型検索 | 自動で Web サイトを巡回し、データベースを作る |
| SEO・MFI | 検索の順位を上げる対策(SEO)と、スマートフォン向けサイトを評価の中心にする方針(MFI) |
| Web API・マッシュアップ | システム間をつなぐ窓口と、複数の API を組み合わせて新しいサービスを作る手法 |
6. XR と医療
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| AR | 現実に CG などの情報を重ねて見せる(AR ナビ、AR ゲーム) |
| VR シミュレータ | 仮想空間で、安全に低いコストで事前のトレーニングをする |
| 自由視点映像配信 | 複数のカメラの映像から3D 空間を作り、好きな視点で見られる |
| オンライン診療 | 離れた場所から、リアルタイムで診察や処方を受ける |
| 患者モニタリング | 患者が着けた生体情報モニタのデータを VPN で送り、医師が遠隔から対応する |
取り違えやすい組み合わせ
選択肢には、似た用語が並びます。次の組み合わせは、「何が違うか」を一言で言えるようにしておきます。
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| SaaS・PaaS・IaaS | アプリ、開発・実行の環境、インフラのどれを提供するか |
| SFA・CRM・SCM・ERP | 営業、顧客、供給網、経営資源のどれを管理するか |
| O2O と OMO | 店舗へ誘導する施策か、オンラインとオフラインを融合する取り組みか |
| D2C と B2B2C | 製造者が直接売るか、間に基盤を持つ事業者が入るか |
| ユーザースキャンとストアスキャン | 購入者が販売者のコードを読むか、店側が読むか |
| ロボット型とディレクトリ型の検索 | 自動で巡回して集めるか、分類して登録するか |
| オンライン診療と患者モニタリング | 診察や処方を受けるか、生体情報を遠隔で見守るか |
この章の勉強の進め方
- 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。
第13章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第13章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
企業が消費者に提供するB2Cの取引において、両者の間にさらに企業が入り、プラットフォームとして仲介するオンライン上のビジネスモデルは1と呼ばれる。
答えと解説を見る
正解は 3(B2B2C)です。
【概要】
B2B2Cは提供者と利用者の間にプラットフォーム事業者が介在するビジネスモデルである。顧客管理や決済機能などの仲介基盤を提供する。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. B2Bあなたの解答 B2Bは企業同士が直接取引を行う形態であり、プラットフォームが提供者と利用者を仲介する空欄(1)とは異なる。
- 2. B2Cあなたの解答 B2Cは企業が消費者に直接商品やサービスを提供する形態であり、間に仲介業者が入る空欄(1)とは異なる。
- 3. B2B2C正解あなたの解答 B2B2Cは提供者と利用者の間に入りプラットフォームとして両者を仲介する形態であり空欄(1)に適合する。
- 4. C2Cあなたの解答 C2Cはプラットフォームを通じた個人間の取引であり、B2Cの提供者と利用者の間に企業が入る空欄(1)とは異なる。
問2
主に営業部門向けに顧客データや取引履歴を一元管理し、マーケティング活動やサポート業務によって顧客と良好な関係を築くことを目的とするシステムは1と呼ばれる。
答えと解説を見る
正解は 1(CRM)です。
【概要】
CRMは顧客データや取引履歴を一元管理し顧客と良好な関係を構築するシステムである。マーケティングやサポート業務等に活用される。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. CRM正解あなたの解答 CRMは顧客データや取引履歴を一元管理し顧客と良好な関係を築くシステムであり空欄(1)に適合する。
- 2. ERPあなたの解答 ERPは企業全体の経営資源を一元管理する統合基幹業務システムであり、顧客関係管理を行う空欄(1)の機能と異なる。
- 3. SFAあなたの解答 SFAは営業活動の効率化や商談管理を目的とするシステムであり、顧客との関係構築を主目的とする空欄(1)と異なる。
- 4. SCMあなたの解答 SCMは調達から物流までの一連の供給網を最適化するシステムであり、顧客データを管理する空欄(1)と対象が異なる。
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よくある質問
SFA・CRM・SCM・ERP は、どう見分けますか?
管理する対象で見分けます。SFA は営業活動と商談の進み具合、CRM は顧客のデータと取引の履歴、SCM は原材料の調達から物流までの供給網、ERP はヒト・モノ・カネなどの経営資源を一元的に扱います。
O2O・OMO・D2C は、どう違いますか?
O2O は実店舗へ誘導する施策、OMO はオンラインとオフラインを融合して顧客の体験を高める取り組み、D2C は製造者が自社の EC で消費者に直接売る形態です。
第13章は、ほかの章の内容と重なりますか?
重なります。クラウドの SaaS・PaaS・IaaS は第9章、RAG は第10章、ゼロトラストや多要素認証は第11章でも出ます。第13章では、それらを使う場面として問われます。
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出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。