第2章 移動体通信サービスの要点
VoLTE、MVNO、GNSS、NTN、ETWS を整理
- 第2章は、携帯電話の世代の移り変わりと、利用者が使うサービスの章です。音声・メッセージ・位置情報・災害時の通信・衛星まで出ます。
- MNO・MVNO・MVNE、回線交換とパケット通信、エリアメールと災害用伝言板のように、似た位置づけの用語の違いが問われます。
- 用語は「どんな場面のサービスか」で6つに分けると、覚えやすくなります。
この章で問われること
第2章「移動体通信サービス」は、携帯電話が世代ごとにどう変わってきたか、そして利用者がふだん使う音声通話・メッセージ・位置情報・災害時の連絡といったサービスの仕組みを扱います。電波の技術は第3章、ネットワークの中身は第4章です。
本番の100問のうち、第2章からは7問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(100問・100分)は、全13章の範囲の広さに合わせて章ごとの問題数を決めていて、第2章からは7問を出しています。試験全体の約7%にあたります。
もちこ道場の第2章の問題は128問です。本番と同じ5つの形式に分けると、次のようになります。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 穴埋め(1か所) | 30問 |
| 穴埋め(組み合わせ) | 30問 |
| 長文(1つの文章に4問) | 8問 |
| 正しい記述を選ぶ | 30問 |
| 誤った記述を選ぶ | 30問 |
出てくる用語は、どんな場面のサービスかで、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
6つのまとまりと押さえる用語
1. 世代と通信方式
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 自動車電話 | 日本の移動体通信のはじまり。現在の携帯電話の起源とされる |
| iモード | 携帯電話で Web やメールを使えるようにし、データ通信へ進むきっかけになった |
| PHS | デジタルコードレス電話を応用した方式。安い料金で広まり、のちにサービスを終えた |
| LTE-Advanced | LTE をさらに拡張した第4世代の規格。キャリアアグリゲーションで速くした |
| 5G | 超高速・超高信頼低遅延・多数同時接続が特徴の第5世代の規格 |
| 回線交換通信 | 通信の間、回線を専用に割り当てて占有する。LTE や 5G では提供されない |
| パケット通信 | データを分けて送り、通信するときだけ回線を使う。回線を共有できる |
2. 音声とメッセージ
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| VoLTE | LTE の網の上で、IP の技術を使って音声通話を提供する。高音質で、つながるまでが短い |
| 050IP電話 | IP の技術を使った音声通話。050 で始まる番号 |
| プラスメッセージ | 電話番号を宛先に、写真やスタンプも送れる。RCS に準拠したサービス |
| SMS | 電話番号を宛先に、短い文字を送るサービス |
| オプトイン方式 | 事前に同意した人にだけ、広告のメールを送ってよい仕組み |
| 送信ドメイン認証 | 迷惑メール対策として、送信元のドメインを確かめる |
3. 事業者と契約
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| MNO | 自社の無線通信の設備を持って、サービスを提供する携帯電話会社 |
| MVNO | MNO から設備を借りて、自社のサービスとして提供する事業者 |
| MVNE | MVNO の事業の構築や課金システムの運用を支える事業者 |
| SIMロック解除 | 特定の事業者でしか動かない制限をなくし、他社の SIM でも使えるようにする |
| 閉域接続 | 通信事業者のパケット網と、企業の社内LANを直接つなぐ |
| 国際ローミング | 海外で、日本の電話番号のまま現地の網を使う |
| FMC | 固定通信と移動体通信を融合し、ひとつの端末でどちらも使う |
4. 位置と衛星
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| GNSS | 複数の人工衛星の電波から、端末の位置を求める測位 |
| アシストデータ | サーバが端末に渡す衛星の軌道情報など。測位の時間を縮め、誤差を減らす |
| みちびき | 日本の準天頂衛星。常に天頂付近に1機いるようにして、都市部や山間部でも測位しやすくする |
| 基地局測位 | つながっている基地局の固有の番号と位置の情報から、現在地を求める |
| 無線LAN測位 | アクセスポイントの識別情報と電波の強さで測る。屋内や地下でも使える |
| NTN | 成層圏や宇宙の飛行体を中継にして、地上の設備がない地域へ通信を届ける |
| HAPS | 成層圏に無人の機体を長く浮かべて、広い範囲に通信を提供する |
| LEO・GEO | LEO は低い軌道で遅延が小さい。GEO は赤道上空の静止衛星で、遅延が大きめ |
5. 放送と近距離の無線
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| ワンセグ | 地上デジタル放送の帯域を13に分けた、中央の1つを使う携帯端末向けの放送 |
| NFC | かざすだけでデータを読み書きする、近距離無線通信の規格 |
| おサイフケータイ | モバイル FeliCa に対応した端末で使う決済サービス |
6. 災害時のサービス
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| ETWS | 緊急情報を一斉に配信する仕組み。エリアメールをもとに規定された |
| エリアメール | 特定のエリアの端末へ、緊急地震速報などを一斉に配信する。回線の混雑の影響を受けにくい |
| 災害用伝言板 | 安否の情報を、パケット通信で登録して確かめる |
災害時は、音声通話が混み合って発信が規制されます。パケット通信は別の制御なのでつながりやすい、と覚えておきます。
取り違えやすい組み合わせ
選択肢には、近い意味の用語が並びます。次の組み合わせは、「何が違うか」を一言で言えるようにしておきます。
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| 回線交換通信とパケット通信 | 回線を占有する(回線交換)か、通信するときだけ使って共有する(パケット)か |
| MNO・MVNO・MVNE | 設備を持つ(MNO)か、借りてサービスを出す(MVNO)か、MVNO を支える(MVNE)か |
| オプトイン方式と送信ドメイン認証 | 事前に同意した人にだけ送る(オプトイン)か、送信元を確かめる(送信ドメイン認証)か |
| エリアメールと災害用伝言板 | 一斉に配信する(エリアメール)か、安否を登録して確かめる(伝言板)か |
| LEO と GEO | 低い軌道で遅延が小さい(LEO)か、高い静止軌道で遅延が大きめ(GEO)か |
| GNSS と無線LAN測位 | 衛星の電波で測る(GNSS)か、アクセスポイントで測る(無線LAN)か。屋内は無線LAN |
| VoLTE と 050IP電話 | LTE の網で提供する(VoLTE)か、050 の番号の IP 電話か |
この章の勉強の進め方
- 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どんな場面のサービスか」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。
第2章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第2章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
MVNOとは、自社で1を持たず、移動体通信事業者(MNO)からそれを借り受けて、独自のブランドや料金プランでモバイル通信サービスを提供する事業者のことです。
答えと解説を見る
正解は 2(無線通信インフラ)です。
【概要】
MVNOは自社で無線通信インフラを持たず他社から借り受けてサービスを提供する事業者である。多様で低廉な通信サービスを提供する役割を担う。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 光ファイバー網あなたの解答 光ファイバー網は有線の固定通信回線網であり、MVNOがMNOから借り受ける移動体通信の基本設備の説明とは異なる。
- 2. 無線通信インフラ正解あなたの解答 無線通信インフラはモバイル網設備であり、MNOからこれを借り受けて独自提供するMVNOの定義と一致し空欄(1)に適合する。
- 3. 衛星軌道あなたの解答 衛星軌道は人工衛星を周回させる宇宙空間の軌道であり、MVNOがMNOから借り受ける地上等の移動体通信設備ではない。
- 4. 端末製造工場あなたの解答 端末製造工場は通信端末を生産する製造施設であり、通信事業者がサービス提供のために借り受ける通信設備ではない。
問2
気象庁が配信する緊急地震速報や津波警報などを、回線混雑の影響を受けにくい仕組みを用いて特定エリアの端末に一斉配信するサービスを1などと呼びます。
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正解は 3(エリアメール)です。
【概要】
災害発生時には特定エリアの端末へ緊急情報を一斉送信する仕組みが提供される。NTTドコモのエリアメールは緊急地震速報等を一斉配信し、回線混雑の影響を受けにくい。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 災害用伝言板あなたの解答 災害用伝言板は、災害時にメッセージ登録や安否確認を行う機能であり、緊急情報を特定エリアへ一斉配信する空欄(1)に合わない。
- 2. プラスメッセージあなたの解答 プラスメッセージは、電話番号で長文や画像を送信するサービスであり、緊急情報を特定エリアへ一斉配信する空欄(1)に合わない。
- 3. エリアメール正解あなたの解答 エリアメールは、緊急地震速報等を回線混雑の影響を抑えて特定エリアへ一斉配信するサービスであり空欄(1)に合致する。
- 4. キャリアメールあなたの解答 キャリアメールは、通信事業者が独自ドメインで提供するメール機能であり、特定エリアへ一斉配信する空欄(1)に合わない。
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よくある質問
第2章はどの章とつながっていますか?
第2章でサービスの全体像を見たうえで、それを支える電波の技術を第3章、基地局の先のネットワークを第4章で学びます。VoLTE や 5G のように、第2章に出た用語が第3章・第4章で詳しく出てくるものもあります。
回線交換通信とパケット通信は何が違いますか?
回線交換通信は、通信の開始から終了まで回線を専用に割り当てて占有する方式です。パケット通信は、データを小さく分けて送り、通信するときだけ回線を使うので、複数の通信で共有できます。パケット通信が主流です。
MVNO と MVNE は何が違いますか?
MVNO は、携帯電話会社(MNO)から回線を借りて自分のサービスとして提供する事業者です。MVNE は、MVNO が事業を進めやすいように、事業の構築や課金システムの運用などを支える事業者です。
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