TCP と UDP の違い
確認と再送か、省いて即時性か
- TCP と UDP は、どちらもトランスポート層のプロトコルです。
- TCP は、通信の前にコネクションを確立し、届いたかを確かめて、異常があれば再送する信頼性重視のプロトコル。UDP は、その手順を持たず、データグラムを配るだけで、転送効率とリアルタイム性を重視します。
- 確実に届けたい通信は TCP、音声通話や動画ストリーミングのように即時性が大事な通信は UDP です。
TCP とは
TCP は、トランスポート層で信頼性の高い通信を行うプロトコルです。次のような機能を持ちます。
- 通信の前にコネクションを確立し、終了時に切断する
- データを分割して送り、受信側で組み立てる
- 送ったデータが正しく届いたかを確かめ、異常があれば再送制御で送り直す
- ウインドウ制御で、確認応答を待たずに連続して送り、効率を上げる
UDP とは
UDP は、トランスポート層で信頼性より転送効率を重視するプロトコルです。通信の前の手順を持たず、データグラムを配信するだけのコネクションレス型です。応答の確認を省き、ヘッダも簡素で、再送制御のためのフィールドを持ちません。
そのため、リアルタイム性が求められる音声通話や動画ストリーミングに向いています。
違いを表で比べる
| 比べること | TCP | UDP |
|---|---|---|
| 重視するもの | 信頼性 | 転送効率とリアルタイム性 |
| 通信の前の手順 | コネクションを確立し、終了時に切断する | 手順なし(コネクションレス型) |
| 届いたかの確認と再送 | する | しない |
| ヘッダ | 再送制御などの情報を持つ | 簡素で、再送制御のフィールドを持たない |
| 使われ方の例 | Web 通信(HTTPS は 443 番)、BGP の経路情報のやり取り | VoIP の音声、動画ストリーミング、QUIC |
試験での問われ方
モバイルシステム技術検定2級では、第5章「インターネット基盤技術」で出ます。もちこ道場の第5章の問題では、次のような問われ方をしています。
- 穴埋め: 「データ転送の信頼性は保証しないが、転送効率が高く、リアルタイム性が求められる通信に用いられる」の空欄に UDP を選ぶ。選択肢には TCP や HTTP・FTP が並びます。
- TCP の機能: 「バッファの空き状況をフィードバックし、確認応答を待たずに連続送信して効率化する」制御(ウインドウ制御方式)を選ぶ。
- UDP を使うもの: HTTP/3 のトランスポート層に採用された、UDP ベースの QUIC を選ぶ。
覚え方
- T は確かめる、U は配るだけと覚えます。「信頼性」が出たら TCP、「リアルタイム性」「転送効率」が出たら UDP です。
- 音声通話や動画のように、少し欠けても止まらないほうが大事な通信は UDP、と具体例で結び付けます。
第5章のほかの用語は「第5章 インターネット基盤技術の要点」にまとめています。
第5章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第5章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
TCPの通信において、受信側のバッファがオーバーフローすることを避けるため、受信側からバッファの空き状況を送信側にフィードバックし、ACK番号が返信されるのを待たずにデータを連続して送る手法を1という。
答えと解説を見る
正解は 1(ウインドウ制御方式)です。
【概要】
TCPにおけるデータ伝送制御の手法である。バッファ空き状況をフィードバックし確認応答を待たずに連続送信して効率化する。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. ウインドウ制御方式正解あなたの解答 ウインドウ制御方式はバッファ空き情報を知らせACK待ちなしで連続送信する手法であり空欄(1)に合う。
- 2. マルチキャストあなたの解答 マルチキャストは複数宛先へ同一データを同時配信する方式でありバッファ管理を行うデータ伝送の空欄(1)に合わない。
- 3. フラグメンテーションあなたの解答 フラグメンテーションは下位層の制限に合わせてパケットを分割する処理であり連続送信制御の空欄(1)に合わない。
- 4. ルーティングあなたの解答 ルーティングは宛先IPアドレスに基づきパケットを目的地へ中継する処理であり送信制御方式の空欄(1)に合わない。
問2
Web通信のプロトコルであるHTTP/3は、UDPをベースとする「1」をトランスポート層に採用しており、再送制御やTLSなどの暗号通信の処理を統合して遅延に強い通信を実現している。
答えと解説を見る
正解は 2(QUIC)です。
【概要】
HTTP/3ではトランスポート層にUDPベースのQUICが採用され、暗号化や再送制御の統合により低遅延な通信を実現する。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. RTPあなたの解答 RTPは音声や動画等のリアルタイムデータを伝送するプロトコルであり、HTTP/3で採用されたUDPベースの技術ではない。
- 2. QUIC正解あなたの解答 QUICはUDPベースで再送制御や暗号化を統合しHTTP/3で採用されたプロトコルのため空欄(1)に適合する。
- 3. TCPあなたの解答 TCPはトランスポート層の信頼性重視プロトコルであるが、UDPベースで機能統合されたHTTP/3採用技術ではない。
- 4. SIPあなたの解答 SIPはセッションの確立や切断を制御するアプリケーション層のプロトコルであり、UDPベースのトランスポート技術ではない。
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よくある質問
UDP は信頼性が低いので使われないのですか?
そうではありません。確認や再送の手順を省くので、転送効率が高く、リアルタイム性を求める音声通話(VoIP)や動画ストリーミングに使われます。HTTP/3 のトランスポート層に採用された QUIC も、UDP をもとにしています。
ポート番号は TCP と UDP のどちらにありますか?
どちらもトランスポート層で、通信するプログラムを見分けるために、0 から 65535 番のポート番号を使います。0 から 1023 番はウェルノウンポートと呼ばれ、HTTP などの標準的なサービスに割り当てられています。
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