FDD と TDD の違い
周波数で分けるか、時間で分けるか
- FDD と TDD は、端末と基地局が上りと下りの通信をやり取りするための複信(デュプレクス)方式です。
- FDD は周波数で分ける(上りと下りに別の周波数)、TDD は時間で分ける(同じ周波数を時間で切り替える)、と覚えます。
- 上りと下りの干渉を防ぐため、FDD は周波数の間にセンターギャップ、TDD は時間の間にガードピリオドを置きます。
FDD とは
FDD(Frequency Division Duplex)は、上りと下りに別々の周波数を使う複信方式です。上り用と下り用の2つの周波数を使うので、上りと下りの通信を同時に流せます。
2つの周波数が近すぎると互いに干渉するので、上りと下りの周波数の間にセンターギャップという空きを設けます。
TDD とは
TDD(Time Division Duplex)は、1つの周波数を、上りと下りで時間ごとに交互に切り替えて使う複信方式です。上りと下りが同じ周波数なので、周波数を分けるしくみは要りません。
上りと下りの切り替わりで信号がぶつからないよう、時間の間にガードピリオドという空きを設けます。上りと下りに割り当てる時間を変えられるので、周波数を柔軟に使えるのが特長です。
違いを表で比べる
| 比べること | FDD | TDD |
|---|---|---|
| 上りと下りの分け方 | 周波数で分ける | 時間で分ける |
| 使う周波数 | 上り用と下り用の2つ | 1つ |
| 上りと下りの同時の送受信 | できる | 時間で交互に切り替える |
| 干渉を防ぐ空き | センターギャップ(周波数の間) | ガードピリオド(時間の間) |
| 特長 | 上りと下りを同時に流せる | 上りと下りの時間の割り当てを変えられ、周波数を柔軟に使える |
試験での問われ方
モバイルシステム技術検定2級では、第3章「無線アクセスネットワーク技術」で出ます。もちこ道場の第3章の問題では、次のような問われ方をしています。
- 穴埋め: 「異なる周波数帯を割り当てる方式」「同一の周波数帯を時間軸上で交互に切り換える方式」の空欄に、FDD か TDD を選ぶ。選択肢には FDM・TDM が並びます。
- 誤った記述を選ぶ: センターギャップとガードピリオドを入れ替えた記述や、TDD にも周波数を分けるしくみが要る、といった記述を見抜く。
覚え方
- 頭の文字で覚えます。F は Frequency(周波数)、T は Time(時間)。最後の D は Duplex(複信)です。
- 空きの名前も、分けるものとそろえて覚えます。周波数で分ける FDD は周波数の間のギャップ、時間で分ける TDD は時間の間のピリオドです。
第3章のほかの用語は「第3章 無線アクセスネットワーク技術の要点」にまとめています。
第3章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第3章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
モバイル端末と基地局の間の通信において、上り回線と下り回線を互いに異なる周波数帯域に分けて割り当て、同時かつ双方向に通信を行うデュプレクス方式を1と呼ぶ。
答えと解説を見る
正解は 1(FDD)です。
【概要】
上下回線の同時双方向通信にはデュプレクス方式が用いられる。互いに異なる周波数帯を割り当てる方式をFDDと定義する。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. FDD正解あなたの解答 FDDは上りと下りの通信に互いに異なる周波数帯域を割り当てて同時双方向通信を行う方式であり、空欄(1)に合致する。
- 2. TDDあなたの解答 TDDは同一周波数帯を非常に短い時間で分割して上下通信を交互に行う方式であり、異なる周波数を分ける空欄(1)に合わない。
- 3. FDMあなたの解答 FDMは周波数帯を分割して複数の信号を同時に伝送する多重化方式であり、上下通信を分離するデュプレクス方式の空欄(1)に合わない。
- 4. CDMAあなたの解答 CDMAは異なる拡散符号を用いて同一周波数帯で多元接続を行う方式であり、上下回線を周波数で分ける空欄(1)に合わない。
問2
基地局とモバイル端末との間で双方向の通信を行うためのデュプレクス方式のうち、共通の周波数帯域を用い、送信と受信を時間軸上で交互に切り換えることで上り通信と下り通信を行う方式を1と呼ぶ。
答えと解説を見る
正解は 2(TDD)です。
【概要】
TDDは時間軸上で送受信を交互に切り替えて共通の周波数帯域で双方向通信を行う複信方式である。周波数利用の柔軟性が高い。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. FDDあなたの解答 FDDは上りと下りで互いに分離された異なる周波数帯を用いる複信方式であり、共通周波数帯を時間軸で切替えない。
- 2. TDD正解あなたの解答 TDDは時間軸上で送信と受信を交互に切り替え共通の周波数帯域で双方向通信を行う方式で空欄(1)に合致する。
- 3. FDMあなたの解答 FDMは周波数帯域を複数に分割して同時に異なる情報を多重伝送する技術であり、送受信を時間軸で切替える方式ではない。
- 4. TDMあなたの解答 TDMは一つの伝送路を時間で分割して複数の信号を多重化する技術であり、上り・下りの双方向通信を行う複信方式ではない。
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よくある質問
FDD と TDD は、どちらが優れていますか?
優劣ではなく、向き不向きです。FDD は上りと下りを同時に流せます。TDD は1つの周波数で済み、上りと下りの時間の割り当てを変えられるので、周波数を柔軟に使えます。
FDM・TDM とは何が違いますか?
FDM(周波数分割多重)と TDM(時分割多重)は、1本の回線に複数の信号をまとめて流す「多重化」の方式です。FDD・TDD は、上りと下りをどう分けるかという「複信」の方式なので、目的が違います。選択肢に並ぶことがあるので、最後の文字(D は Duplex、M は Multiplexing)で見分けます。
FDMA・TDMA とは何が違いますか?
FDMA・TDMA は、複数の利用者を周波数や時間で分ける「多元接続」の方式です。FDD・TDD は、1台の端末の上りと下りを分ける方式です。分けるものが「利用者」か「上りと下り」かで見分けます。
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