EPC と 5GC の違い
LTE のコア網か、5G のコア網か
- EPC と 5GC は、どちらも基地局の先にあるコアネットワークです。
- EPC は LTE のパケットコア網で、MME・S-GW・P-GW・HSS などの装置が役割を分担します。5GC は 5G のスタンドアローン(SA)構成に対応するコア網で、サービスベースアーキテクチャ(SBA)を採用します。
- 加入者の情報を管理する HSS に当たるのが、5GC の UDM です。
EPC とは
EPC は、LTE のコアネットワーク(パケットコア網)です。複数の装置が役割を分担します。
- MME: 端末と制御信号を交わし、移動管理や経路設定を行う制御装置
- S-GW: 基地局間のハンドオーバのとき、データの中継点になる装置
- P-GW: 外部ネットワークとの接続点で、端末に IP アドレスを割り当てる装置
- HSS: 加入者の契約情報や位置情報、認証情報を管理するデータベース
- PCRF: QoS のポリシーや課金の制御を担う装置
5GC とは
5GC は、5G のスタンドアローン(SA)構成に対応するコアネットワークです。サービスの要求に応じた柔軟な構造を持ち、サービスベースアーキテクチャ(SBA)を採用しています。制御機能どうしの通信には、共通のプロトコルとして HTTP/2 を使います。
5GC には、ネットワークスライシング、MEC、TSN との連携などの機能が用意されています。データを集めて解析する NWDAF という機能もあります。加入者の情報を管理する UDM は EPC の HSS に相当し、加入者のアクセス認証は AUSF が担います。
違いを表で比べる
| 比べること | EPC | 5GC |
|---|---|---|
| 対応する世代 | LTE | 5G のスタンドアローン(SA)構成 |
| 構成 | MME・S-GW・P-GW・HSS・PCRF などの装置が役割を分担 | 機能ごとに分かれたサービスベースアーキテクチャ(SBA) |
| 制御機能間の通信 | 装置ごとの役割分担 | 共通のプロトコルとして HTTP/2 |
| 加入者情報の管理 | HSS | UDM |
| 特長 | LTE のパケットコア網 | ネットワークスライシングなど、柔軟な制御 |
試験での問われ方
モバイルシステム技術検定2級では、第4章「コアネットワーク技術」で出ます。もちこ道場の第4章の問題では、次のような問われ方をしています。
- 穴埋め: 「5G のコアネットワークで、スタンドアローン構成で単独動作するコア網」の空欄に 5GC を選ぶ。選択肢には EPC・IMS・VoLTE が並びます。
- 5GC の特徴: SBA で制御機能間の通信に使うプロトコルとして HTTP/2 を選ぶ。NWDAF が何をする機能かも問われます。
- EPC の装置: MME・HSS・P-GW・S-GW の役割を取り違えないようにします。
覚え方
- 世代でコア網を選びます。LTE なら EPC、5G の SA 構成なら 5GC です。
- HSS と UDM は、どちらも加入者の情報を管理する役割です。世代が変わって名前が変わった、と結び付けます。
第4章のほかの用語は「第4章 コアネットワーク技術の要点」にまとめています。
第4章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第4章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
第5世代移動通信システム(5G)において、5G NRが単独で動作するスタンドアローン(SA)に対応したコアネットワークとして1が規定されている。
答えと解説を見る
正解は 3(5GC)です。
【概要】
5Gのコアネットワークはサービス要求に応じる柔軟な構造を持つ。5GCはスタンドアローン構成で単独動作するコア網である。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. EPCあなたの解答 EPCは第4世代LTE向けに導入されたパケットコアネットワークであり、5Gのスタンドアローン構成に対応するコア網ではない。
- 2. IMSあなたの解答 IMSはIP網上で音声通話などのリアルタイム通信を制御するセッション管理基盤であり、5Gのコアネットワークではない。
- 3. 5GC正解あなたの解答 5GCは5G NRと組み合わさりスタンドアローン構成で単独運用される5G専用のコア網であり空欄(1)に合致する。
- 4. VoLTEあなたの解答 VoLTEはLTE網上でIP音声通話を実現する技術・サービス規格であり、5G NRを単独制御するコアネットワークではない。
問2
5Gのコアネットワークである5GCは、サービスベースアーキテクチャ(SBA)に基づく構成をとっており、制御系の各機能へアクセスするための共通プロトコルとして1が採用されている。
答えと解説を見る
正解は 4(HTTP/2)です。
【概要】
5GCが採用するサービスベースアーキテクチャ(SBA)における制御系プロトコルに関する問題である。制御機能間の通信に共通プロトコルとしてHTTP/2を採用する。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. SIPあなたの解答 SIPはIMS等でセッション制御に用いられるプロトコルであり、SBAの制御機能間共通プロトコルではない。
- 2. TCP/IPあなたの解答 TCP/IPはトランスポートおよびネットワーク層の基本プロトコルであり、SBA特有の共通アプリプロトコルではない。
- 3. ENUMあなたの解答 ENUMは電話番号とIPアドレス等の変換を行うプロトコルであり、SBA制御機能間のアクセスプロトコルではない。
- 4. HTTP/2正解あなたの解答 HTTP/2はSBAに基づく5GCの制御系機能間で通信を行う共通プロトコルであり空欄(1)に合致する。
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よくある質問
NSA と SA は、EPC と 5GC とどう関係しますか?
NSA は既存の EPC と LTE の基地局を活用して 5G の基地局と連携する構成です。SA は 5GC を使って 5G だけで動く構成です。コア網が EPC か 5GC かで見分けられます。
SBA とは何ですか?
サービスベースアーキテクチャの略で、5GC が採用する構成です。制御機能どうしの通信に、共通のプロトコルとして HTTP/2 を採用します。
EPC の装置の役割も覚える必要がありますか?
出ます。MME は移動管理や経路設定などの制御、S-GW はハンドオーバ時のデータの中継点、P-GW は外部ネットワークとの接続点で IP アドレスの割り当て、HSS は加入者の契約情報や位置情報のデータベースです。
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